◎「進化ゲーム理論」による「社会的ジレンマ問題」への処方箋
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梅原 嘉介 著
2009年 3月 4日発売
B5変型判
192ページ
定価 \2,530(本体 \2,300)
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ISBN978-4-7775-1426-7 C3033 \2300E
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R.アクセルロッド教授の「進化ゲーム理論」では、「社会的ジレンマ問題」などを解決する際の有力な処方箋として「協調の進化」のプロセスを採り上げ、「たくましさ」「安定性」「初期の活力」の問題に分けて分析している。
主に、「進化ゲーム理論」では、「コンピュータ選手権」によって「マクロ的な動学的調整過程」の分析が有名であるのに対して、「ミクロ的な相対的調整過程」の分析についての体系的な分析は、意外になされていない。しかし、「対立と協調」が先鋭化しつつある情報化社会では、「ミクロ」の分析は有益なアプローチの一つとして、今後期待される。
本書は、この後者のミクロ的な相対的調整過程の分析を中心に、「進化的安定性」の条件導出のため、「集団安定」から「領域安定」、さらには「近所付き合い」と分析を進めることによって、個々の協調の進化過程を明らかにし、ひいては社会全体の安定性の仕組みの構築を明らかする。
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■ 主な内容 ■ |
はしがき はじめに
第1章 |
「囚人のジレンマ」と「繰り返し囚人のジレンマ」 |
[1.1]「囚人のジレンマ」とは |
[1.2]合理的な選択は可能か |
[1.3]「繰り返し囚人のジレンマ」 |
[1.4]「進化ゲーム」への挑戦1 |
[1.5]「進化ゲーム」への挑戦2 |
まとめ |
[2.1]アクセルロッド教授の「集団安定」の検討 |
[2.2]3戦略の試合結果 |
[2.3]「集団安定条件」の導出1 |
[2.4]「集団安定条件」の導出2 |
まとめ |
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第3章 |
「領域安定性」と2次元オートマトンによる侵入プロセス[1](「TFT」への「all_D」の侵入) |
[3.1]「TFT」と「all_D」の、試合後の「平均利得」 |
[3.2]「戦略採択基準表」の作成 |
[3.3]「TFT戦略」の支配している領域に、「all_D戦略」が侵入したケース |
[3.4]エクセルVBAでの挑戦 |
[3.5]本格的なプログラム |
[3.6]割引率「w」の条件の検討 |
[3.7]「領域安定条件」の導出 |
まとめ |
第4章 |
「領域安定」と2次元オートマトンによる侵入プロセス[2](「all_D」への「TFT」の侵入) |
[4.1]「all_D戦略」の領域に1人の「TFT戦略」が侵入したケース |
[4.2]「all_D戦略」の領域に複数の「TFT戦略」が侵入したケース |
[4.3]エクセルVBAでの挑戦 |
[4.4]本格的なプログラム |
まとめ |
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第5章 |
「領域安定」と2次元オートマトンによる侵入プロセス[3](「TFT」への「DC」の侵入) |
[5.1]新たな「利得表」の導出 |
[5.2]「TFT」の領域に「DC戦略」が侵入したケース |
[5.3]「DC」の領域に「TFT戦略」が侵入したケース |
まとめ |
第6章 |
「侵入判定式」による「領域安定条件」の導出[1](「all_D」への「TFT」の侵入) |
[6.1]侵入判定式の構築とグラフ作図 |
[6.2]「侵入条件」の検討 |
まとめ |
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第7章 |
「侵入判定式」による「領域安定条件」の導出[2](「DC」への「TFT」の侵入) |
[7.1]侵入判定式の構築とグラフ作図 |
[7.2]「侵入条件」の検討 |
まとめ |
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[8.1]割引率「w」が「0」のケース |
[8.2]割引率「w」が「1/3」のケース |
[8.3]割引率「w」が「2/3」のケース |
[8.4]割引率「w」が「1」のケース |
[8.5]4つの「侵入判定式」の関係と図解 |
まとめ |
[9.1]利得の直接操作 |
[9.2]「T = 56」のケース |
[9.3]「T = 50」のケース |
[9.4]「52 |
まとめ |
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[10.1]周囲8人との付き合いによる「平均利得」 |
[10.2]「侵入プロセス」を見てみよう1 |
[10.3]グラフによる「進入条件」の検討 |
[10.4]「侵入プロセス」を見てみよう2 |
まとめ |
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第11章 |
現実への適用(「社会的ジレンマ」の処方箋) |
[11.1]「集団安定条件」と「社会的ジレンマ問題」 |
[11.2]「領域安定条件」と「社会的ジレンマ問題」 |
[11.3]新たな「社会的ジレンマ問題」と「テリトリ確保問題」 |
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付録 Javaプログラムの作成(3章3-5節) 索引
※ 内容が一部異なる場合があります。発売日は、東京の発売日であり、地域によっては1〜2日程度遅れることがあります。あらかじめご了承ください。
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